ITILのリリース管理
2017.07.26
リリースとは、製品やサービスを公開、発売、運用開始などを意味します。IT業界では「システム開発した製品をリリースする」「バージョンアップパッチをリリースする」など、ソフトを一般公開、運用開始をするときなどに用いられます。ITILのサービス運用を変更した場合、新しいシステムの状態にするときに「リリースする」のように使われます。さて、このリリース作業ですが、古いものから新しいものへと変化をするときとなります。実はIT業界では、このリリースしたときの「履歴」というものは非常に重要な意味を持つことになりますが…。当然、ITILの中でも、このリリースに関する記述があります。ということで、リリース管理について説明をしていきましょう。
■ITILの変更をした場合の「状況」を管理してくれる
ITILがいうリリース管理とは、システムを変更し運用を開始したときの状況を管理するものになります。さて、この「状況」という言葉に含まれる意味というものをイメージすることができますか?
・何故、システムの変更をする必要があったのか?
・どのようにシステムを変更したのか?
・いつからリリース(運用開始)されたのか?
・誰がリリース(運用開始)をしたのか?
・誰が承認をしたのか?
このような事細かい状況がリリース管理の対象となってきます。
■何故リリース管理をしないといけないのか?
先の文章を読んで「こんなに細かいことまで管理をするのか…」と感じた人もいらっしゃることかと。確かに、非常に細かい内容を管理しています。もっと言ってしまうと、先に記載した例はあくまでも一例です。他にも多くのことを管理していることになるわけですが…何故、そこまで管理をしていかないといけないのか?と疑問が頭を過ります。では、何故か?を以下より説明をしていきます。
◇ITの世界ではリリース管理は非常に重要な作業になる
平たく言ってしまえば、何か問題が発生したときに、どこまで戻すか?を管理することができるからです。例えば、ちょっとした変更をした場合、そのちょっとしたものが大きな問題を引き起こす可能性もないわけではありません。そして、大きな問題が発生した場合、直ちに元の状態に戻すわけですが…どこまで戻すのか?という判断が迅速に行えます。他にも、どのような変更を加えたことで、どのような変化が生み出されたのか?などの検証をするときにも大いに役立ちます。リリース管理とは、ある意味で「システムの思い出アルバム」のようなもので、「この時代はこんなことがあった」と思い出すことができるようにしています。そして「こんなことがあった」という情報がシステムの世界では非常に重要になるため、管理をしないといけないわけです。